点滴の挿し直し
相変わらず点滴に苦しめられています。
私が落ち着きがなく腕をあちこち動かしてしまうせいか頻繁に点滴が止まってしまうのです。
注射の針が血管からそれてしまっているのか、逆流した血液が詰まっているのか。
看護師さんが何度となく「フラッシュ」といって血管に押し戻そうとしてくれているがやはり血管には戻ってくれないみたい。
やはり針が血管からそれてしまっているようです。
「すみません。挿し直しますね。」
またか。これで何度目だろう。入院してから毎日挿し替えている。
最初は左腕。その次は右腕。その次は右腕の場所を変えて。
左腕はまだパンパンに腫れあがったままです。
やはり私の血管は脆いのだろうか。看護師さんも点滴を挿すのに苦労している。
何度か失敗もされていて別の看護師さんに交代したりして。
もう腕もすっかり穴だらけになってしまいました。
体は動かせないわ、痛い思いをするわ、入れ替わり立ち代わり看護師さんが挿し直してくれるわで私も少々気が滅入ってきました。
「すみません。もうそろそろ点滴外してもらえないですかね。主治医の先生に相談させてください。」
言っちゃった。
看護師さんもいい加減点滴を差し直すことに苦労しているのでしょうか、迷うことなく
「わかりました。先生に伝えておきます。」
と言って看護師さんが出て行きました。
晴れて自由になった腕
とりあえず今はようやく自由になった腕。
お腹の痛みもほとんどなくなったし、これ以上抗生剤を投与し続ける必要は本当にあるんだかどうだか。
まあ自分は素人だから先生の言うことは聞くしかないんですけどね。
待つこと数時間。先生がやってきました。
「点滴がうまく入らないようですね。痛い思いをさせてしまってすみません。」
いえいえ。謝ってもらうのは恐縮です。私の腕の血管が細くて脆いのが原因なんですから。
「もうお腹の痛みも治まってきたようですし、点滴は外して飲み薬に変えましょうか。」
有難い。これで自由になれる。
これで血液の逆流を気にして腕を固定することもない。
トイレに行くにもガラガラ引きずって行くこともない。
自由に寝返りも打てる。
この苦しみから漸く解放される。
ふぅ。長かった…
「食事も始めましょうか。最初は五分粥からね。」
五分粥?
聞いたことあるけど何だろう。たぶんほとんどお米の形は残っていないお粥のことなのかな。
5日もの間何も食べていなかったから最初はお腹に負担がかからないものからということでしょう。
とにかく快方に向かって一歩進みました。
食べることができるようになったのも嬉しいけど何よりも嬉しいのは点滴が外れたこと。
さて。
いつ退院できるかな。待ち遠しいな。