大腸憩室炎にとって便秘は大敵です。

何も便秘は憩室炎だけに悪いということではありません。
便が腸内に溜まると発ガン物質やアンモニア、硫化水素などの有害物質を発生させます。便秘が続くと、それらの有害物質はどんどん腸壁から吸収されて血液中を流れます。
その結果、肌荒れなど様々な病気にもつながると考えられているのです。

便秘って腸だけにとどまらず体全体の健康に深くかかわっているんですね。

では便秘を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。

一番手っ取り早いのが「食物繊維」を摂ること。

食物繊維は便秘に効くだけではありません。

ほかにも

  1. 腸の中の不要物を輩出してくれる
  2. 血糖値の急上昇を抑えてくれる
  3. 腹持ちを良くしてくれる

などの効果が挙げられます。

その「食物繊維」にも次の2つの種類があります。

  1. 水溶性食物繊維
  2. 不溶性食物繊維

では一つひとつ説明しましょう。

水溶性食物繊維

ヌルヌルっとした粘性と、保水性が高いという特徴があります。炭水化物の吸収速度を遅らせるので、食後の血糖値の急上昇を緩やかにしてくれます。さらに、脂肪の吸収を抑えたり血中コレステロール値を減少させるはたらきもあります。

種類
はたらき
多く含む食品
ペクチン 血糖値の急な上昇を防ぎ、コレステロールの上昇を抑制する作用があります。 りんご、ぶどう、かぼちゃ、キャベツ、大根
グルコマンナン 食べたものを包み込んで、消化・吸収させにくくする作用があります。また、水を吸収する作用があり胃の中で膨らんで満腹感が得られます。 こんにゃく
アルギン酸 海藻のぬめり成分で、コレステロールや血糖値の上昇抑制作用、便秘解消、動脈硬化の予防などの作用があります。 こんぶ、わかめ、もずく、めかぶなどの海藻類
フコイダン 海藻のぬめり成分で、肝機能向上、抗アレルギー、血圧抑制などの効果があります。 こんぶ、わかめ、もずく、めかぶなどの海藻類

腸内環境改善

不溶性食物繊維

水に溶けにくい繊維質で、水分を保持し、便のかさを増やして排便を促す作用のほか、発ガン性物質などの腸内の有害物質を体外へと排出させる働きを持つとも言われています。

種類
はたらき
多く含む食品
セルロース 穀類の外皮に多く含まれ、食事から摂取する食物繊維の大半を占めています。 腸内で有害物質を吸着して排出し、便の排泄を促します。 りんご、大豆(おからなど含む)、ごぼう、穀類
ヘミセルロース セルロースに準じた働きがあり、腸内の善玉菌を増殖させ、便秘の予防や有害物質の排泄などに効果があります。 ごぼう、小麦ふすま、玄米、大豆
ペクチン 不溶性と水溶性があり、熟成するにつれて水溶性に変わります。不溶性の効能としては、腸内の有害物質を吸着し排泄させる作用があり、便秘や大腸ガンの予防効果があると言われています。 未熟な果物、野菜
リグニン コレステロールの上昇を抑制する作用があり、腸内の善玉菌を増やしてくれます。 ココア、豆類、イチゴ、なし
キチン・キトサン 血圧やコレステロールの上昇を抑制する作用があります。また、免疫力を向上させて自然治癒力を高める効果もあるといわれています。 えび、かにの殻

このように食物繊維はさまざまな種類、効果がある重要な成分であり、一日に20~25g摂ることが必要とされています。

しかし平成25年度の調査によりますと、摂取量の平均がなんと14.2gしかありません。しかも年々減少する傾向にあります。
これも食生活の欧米化によるところが大きいかもしれません。

肉食ばかりに偏らず、野菜もバランスよく食べることで食物繊維を摂るようにしたいですね。